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世界を変える?!「ペイ・ウィズ・スクウェア」


■夢の顔パスが可能に!

このコラムも、今回を持ちまして最終回を迎えることとなりました。そこで、どうせなら夢のある話題をと思いアメリカで今話題となっている、とあるサービスのお話をさせていただきたいと思います。皆様は「ペイ・ウィズ・スクウェア」(※旧名称は「カードケース」)というサービスをご存じでしょうか?こちらは買い物の際、何と名前を伝えるだけで決済が可能になるという驚きの携帯アプリケーションです。クレジットカードなどのカード類や携帯電話本体は会計の際に必要ないのか?と疑問に思う人も多いのではないかと思いますが、確認する限り本当にいらないようです。


■Twitter創業者の発想力

この携帯アプリケーションを考え出したのは、Twitter創業者でもある「スクエア社」のジャック・ドーシー氏なのですが、サービスの開始当初から個人事業者や規模の小さな業者にターゲットを絞って開発を進めてきたと聞きます。事実、2010年創業当時は、iPhoneなどに小型のカードリーダーを装着させる事で様々な店舗でもクレジット決済を可能にするサービスを提供しておりました。転機は、昨年5月。iPadをキャッシュレジスターに変えてしまうアプリケーションと「カードケース」と呼ばれるiPhoneアプリを開発した事で訪れます。それまで利用していたカードリーダーなどは設置費用が高額である事、またカード決済の手数料の関係などで気軽に利用できないという難題を抱えていたのですが、この両方の難題を解決する手段として考え出されたのが、この2種類のアプリケーションです。


■「ペイ・ウィズ・スクウェア」までの経緯

とはいえ「カードケース」は当初、様々な店舗を名刺のように保管した上で、必要な際にタップすると店舗の情報やバーゲン情報を表示してくれるという機能しかありませんでした。iPadは、よりコアな方々が使用されている商品ですので、iPhoneに比べると、どうしてもユーザー数が少なくなってしまうというのが現状です。ですので、サービス開始時点ではiPadのキャッシュレジスターの機能は宝の持ち腐れ状態だったと思われます。「スクエア社」としても、この時点で既にどうにかしてiPhoneアプリの「カードケース」をiPadのキャッシュレジスターと支払い面で連動できるようにもっていきたかったのではないかと推測できます。試行錯誤の末、ようやく半年後に満を持して「カードケース」は念願のモバイルペイメントサービスへ進化を遂げるわけですが、勿論その後も開発の手を緩める事なく、ついに今年3月には名称も「ペイ・ウィズ・スクウェア」という支払い機能を全面に出した名称へ変更するに至りました。


■「ペイ・ウィズ・スクウェア」の決済方法

さて、皆様が一番興味を持っていらっしゃるのは「ペイ・ウィズ・スクウェア」の決済方法かと思います。なぜ、名前だけで決済が可能なのでしょうか?それは、アプリに「ジオフェンシング」と呼ばれる技術が採用されているからに他なりません。「ジオフェンシング」とは、ある一定のエリアに仮想の境界線を作成するというものなのですが、これを実際に「ペイ・ウィズ・スクウェア」で当てはめてみましょう。店舗側のアプリケーションはiPadのキャッシュレジスターとお考えください。これが導入されている場合、「ペイ・ウィズ・スクウェア」インストール済みのiPhoneユーザーが店内に入ると自動的に検知され店側で分かるような仕組みになっています。さらに、そのユーザーが名前を名乗り何かを注文すると、店側のiPadに予め登録されているユーザーの顔写真が表示されますので店側でユーザーの顔写真を見比べ同じ顔だと判断されると決済完了となり「ペイ・ウィズ・スクウェア」に登録されたクレジットカードに直接請求が送られるという訳です。ちなみに、最新のバージョンではポイントの自動加算機能までついたようで、ますます利用者が増えそうです。また、「ペイ・ウィズ・スクウェア」のユーザー側へはサービス導入店が見つけやすいよう携帯電話に表示されたりもするようですので、こちらを確認した上で利用するのが賢い使い方なのかもしれません。


■「ペイ・ウィズ・スクウェア」の真の狙い

なお、この「ペイ・ウィズ・スクウェア」には、ある狙いが込められてると聞きます。それは、我々がクレジットカードなどを持つ以前、店側と消費者の間は様々な交流があったという過去回帰に起因します。とはいえ、便利さを手放すわけではなく、テクノロジーを利用しつつも、それをなるべく目に見えない形にすることで、人と人とのやり取りを「人間的な」ものへ戻すというのが「ペイ・ウィズ・スクウェア」の真の狙いのようです。日本では資金決済法などの障壁により、まだ導入されていないのですが、もしこれが導入されれば私達の生活においても昔ながらの交流が少しずつではありますが復活する可能性があるのかもしれませんね。近未来のテクノロジーに思いをはせつつ、本コラムを終了させていただきます。長い間ご覧いただき、本当に有難うございました。心よりお礼申し上げます。



投稿者 企画屋BLOG担当: 2012年07月01日 14:15


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