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仮想化の有効活用(1)■中小企業でも導入可能になってきたサーバー仮想化 サーバの仮想化とは、仮想化ソフトウェアと呼ばれるソフトを使用し1台の物理サーバ上に本来あるはずの無い複数のサーバが存在するよう認識させて使用する技術の事です。この技術は数年前から注目されていたのですが、技術開発や管理などの面から導入している企業の多くは大企業に限定されてきておりました。しかし、急速なコンピューター技術の飛躍により中小企業でも導入しやすいソリューションが、ここ数年で増え続けております。今回は、このサーバの仮想化に注目し掘り下げていきたいと思います。
さて、そもそも何故サーバ仮想化という技術が必要になってきているのかというと、もちろん会社の規模によっても内情は異なるかと思われますが、IT技術が進歩した事により皮肉にも一企業で管理しなければならないサーバ数が増大した事が一番の原因でした。それは、サーバを維持・管理するだけでも大変なコストと時間が消費される事を意味します。そして何よりも問題だったのは、苦労して維持・管理しているサーバの中に全然使われていないサーバが存在しているかもしれないという厄介な可能性が潜んでいる事でした。こういった問題を根元から解決するべく生み出されたのが、サーバの仮想化という技術だったのです。この技術により、全然使われていないサーバと稼働率の高いサーバを分割して仮想化する事でサーバの稼働率をほぼ均等に保ち容量の無駄を減らす事ができるようになりました。
複数のサーバを1つにまとめる事で省エネやスペース抑制などが期待できるのもサーバ仮想化における良い面の1つではありますが、注目すべきはそこだけではありません。機器の耐用年数などによりハードウェアの入れ替えが必要となった際、これまで日常的に使用してきたOSやアプリケーションが使用できなくなり代替品などで何とかするという光景をよく見かけますが、仮想化ソフトウェア上ではこういった古いOSやアプリケーションもハードウェアの入れ替え前の状態で使用が可能になるのです。また、古いOSやアプリケーションを仮想化ソフトウェア上に移行する事でハードウェアが高性能となり作業効率がアップする事も多いです。仮想化ソフトウェアの種類によってはライセンス料が必要となる場合もありますが、手間や時間のコストの面を考えると却って安くつく可能性が高いかと思われます。
さて、これまでメリットのみを記載してましたがデメリットについても見据えて行きたいと思います。デメリットの多くは、システムが仮想化層を経由する事で起こるものがほとんどと言っても過言ではありません。例えば、情報処理の過程で仮想化層を経由する事により性能自体が劣化する懸念がある点です。これは仮想化技術の向上により、随分と解消されてきてはおりますが全て無くなる迄には至っておりませんので記す事と致しました。その他、仮想化に統合された事で起こりうるかもしれないシステムやアプリケーション同士の不具合に対する不安、各バックアップを取る際のタイミングの問題等を挙げられますが、こちらは所有するシステム環境によるところもありますので、そういった内容を見極めた上で仮想化検討の際に取捨選択する必要があるでしょう。また、こういったデメリットを軽減するべくストレージの仮想化と組み合わせて利用するパターンも増えてきております。このストレージの仮想化については別途次回に説明させていただければと考えておりますので、お手隙の際にでもお付き合いいただけると大変嬉しく思います。 投稿者 企画屋BLOG担当: 2011年09月02日 14:32 | コメント (0) トラックバック
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