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必要不可欠なユビキタス■水面下で進行する、ユビキタス 意味があまり理解されないまま独り歩きしているIT用語の話を以前話題にしましたが、今回はその中でも「ユビキタス」について触れてみようと思います。このユビキタスという言葉、以前はよくニュースなどでも取り上げられ連日のように耳にしておりましたが、ここ数年はめっきり聞かなくなったという印象が強いですね。しかしながら、無くなってしまった訳ではなく水面下で着々と国レベルでの取り組みが進行しているのを皆さまご存知でしょうか?とはいえ、基本的な部分を省いてお話を進める事はできませんので、まずユビキタスの語源から説明に入っていこうと思います。
そもそも、ユビキタスの語源はラテン語にまでさかのぼります。本来の意味としては「あまねく(いつでも、どこでも)」を指す一般的な用語だったのですが、その意味合いから「神はあまねく存在する」「神は遍在する」という宗教観が付随しました。IT用語としてのユビキタスは、1991年XEROX社のパロアルト研究所で技術主任をしていたマーク・ワイザー 氏の論文に記載されたのが世界的には最初とされております。しかし、実は日本でもこの論文が発表される数年前に坂村健 氏によって「TRONプロジェクト」という設計思想を提唱されており、これが日本におけるユビキタスの始まりとも言われているのです。
ではTRONプロジェクトにおいて、これまでにどういった内容が推し進められてきたのでしょうか?それはTRONプロジェクトの理念を知ると、より一層理解できるかもしれません。日常的に扱うコンピューターを別々に取り扱うのではなく、ある程度まで標準的な仕様を取りきめ連携させる。これがTRONプロジェクトの理念です。まさにユビキタスそのものと言っても過言ではないでしょう。ゆえに、開発されたOSの完成仕様は無償で一般公開されており、ライセンスフィーも要求されません。これらのOSは、実に様々な分野で使用されておりますが家電製品で使われてる物などもその内の1つです。ちなみに、デジタル家電には「ITRON」と呼ばれる組込型のリアルタイムOSが大半の物に付けられております。その最たる例は携帯電話ですが、ITRONが組み込まれているデジタル家電との連携(例えば、携帯電話での買い物機能)により日常生活においての不便さが少しずつ解消されてきているのです。
なお、ITRONなどのOSに関してはユビキタスの中でも「ユビキタスコンピューティング」という分野にカテゴライズされますが、インターネットなどのネットワーク関連については「ユビキタスネットワーク」に含まれます。大きなプロジェクト例だと政策の一環として進められているu-Japanの委託研究として過去に開発されたネットワークもこちらに含まれたりします。これらのユビキタスを普及させる事により、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」コンピューターを始めとしたネットワークに繋がる事で多くの人々の生活を豊かにする事、これこそ即ち「ユビキタス社会」と呼ばれるものなのです。さらに言えば「何でも、誰でも」はコンピューター同士だけではなく「物と物」「物と人」「人と人」全てが繋がる事を意味してます。今後ユビキタスは、さらに進化していくかと思われますが、その進化についていけるよう開発者側・受取り手側どちらも柔軟性を身につける事が大切なのかもしれませんね。 投稿者 企画屋BLOG担当: 2010年11月10日 14:15 トラックバック
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